2018年2月2日、大相撲の理事選挙が行われました。
みなさんご存知のように貴乃花親方の完敗です。
ここでは、それぞれの一門の持ち票と、実際の得票から、実際はどのように票が動いたのか確認してみようと思います。
理事選の結果と得票数の確認
理事選は、全ての親方が一票ずつ投票し、上位10人が当選です。今回は11人が立候補しましたので、落選は一人という、ある意味過酷な選挙と言えます。
画像の通り、貴乃花親方が2票という少ない得票で落選となりました。
では、もともとの一門の持ち票はどうなっていたのでしょうか。
時事ドットコムニュースより
票の動きを予想してみます
出羽海一門(基礎票33票) 春日野ー9 境川ー11 出羽海-9 山響ー8 37票獲得ですから、他から4票もらっています。2票は貴乃花一門から山響親方へ。もう2票は時津風一門から。 |
二所ノ関一門(基礎票20票)
尾車ー10 芝田山ー10 こちらは基礎票通り20票。貸し借りなしなので、今後も自由に発言できそうです。 |
時津風一門(基礎票16票)
鏡山ー11 5票をどこかに回しています。貸しを作っている形なので、1.5人くらいの発言力?おそらく伊勢ケ浜一門の高島親方へ3票、出羽海一門へ2票でしょう。 |
高砂一門(基礎票12票)
八角ー11 1票減っています。これは、陣幕親方と見る人が多いようです。貴乃花一門と完全に敵同士になっている八角理事長ですが、陣幕親方は子ども同士が結婚しているので、所属はともかく親戚の貴乃花に入れ、八角親方も黙認という流れが妥当のようですね。 |
伊勢ケ浜一門(基礎票9票)
高島ー12 3票上積みしています。時津風一門からいただいた模様。 |
貴乃花一門(基礎票11票)
阿武松ー8 貴乃花ー2 貴乃花は落選覚悟なので、阿武松が当選するギリギリのラインで票を入れ、貴乃花寄りの山響親方に2票回したようです。貴乃花の2票は、本人と高砂一門の陣幕親方でしょう。 |
これを、基礎票一覧に重ねてみると、次のようになります。
どうやら今回は、あまり波乱(というか反乱)はなかったようです。
選挙は公平公正だったのか
聞こえてきた話では、投票用紙は無記名だったものの、名前を手書きする用紙なので「誰が書いたかわかるだろ。」と指摘する親方もいたようです。これが、造反を防ぐための策なのかどうかは定かではありませんが、投票する親方にプレッシャーを与えたのは間違いなさそうです。
しかし、「バレたらやばいから一門の打ち合わせ通りにする。」という感情が働くとすれば、親方衆も少しは考えを改めなければなりませんね。
結局、貴乃花は何をしたかったのか
「無投票は避けるべき」という主張もわからなくはありません。「相撲協会の悪しき体質を改革する。」これも、言葉としては理解できます。
でも、それではいったい何をしたかったのか、それが見えてこないというのが正直な感想です。
「いくら訴えても訴えても、理事の面々は聞く耳を持たない。」というかもしれません。でも、少なくとも一度は「ここがだめだから、こう変えていこうよ。」とアピールすべきと思います。
いずれにしても、貴乃花は相撲を愛した大横綱。現在の相撲界に対して持っているある種の疑念や改革案は、おそらく的を得ているのでしょう。だからこそ、しっかり話して下さい。
貴乃花親方の話を、相撲協会内部だけでなく広く市民に訴えて欲しいですね。
公益法人なのですから。