300万円という超低額予算ながら、じわじわと口コミが広がった話題作の「カメラを止めるな!」を見てきました。
東京の映画館は軒並み満員でなかなか入れないという噂もあり、今回は大宮のイオンシネマをチョイス。2日前にネットで予約しての鑑賞です。
期日は7月27日(金)の10:20。
ネットで購入時には5人くらいしか席は埋まっていませんでしたが、
10時少し前に
「座席はほぼ満席です。残りはわずかとなりました。」
と放送が入りました。
なかなかの人気です。
事前の情報
300万円の予算で撮影したということ。
話題になり、席が確保できない状況であること。
指原莉乃が取り上げたことで人気に拍車がかかったこと。
ホラー映画であるということ。
実はそれくらいの知識しか持たずに映画を観に行ったのでした。
映画の前に公式ホームページも見ましたが、
「ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビに襲われるパニックホラー映画なんだな。」
「37分にも及ぶノーカット映像が見どころのひとつのようだな。」
「主役のおねえちゃん、かわいいな。」
くらいのところで、それ以上詮索するのはやめておきました。
ネタバレ記事は見ないで・・・
実際に映画を観て(ネタバレなしです。安心して下さい。)
圧巻は、冒頭37分のノーカット映像。
ゾンビ映画を撮りに来た一行は、本当のゾンビの出現でパニックになるが、
リアルな映像が欲しかった監督だけは嬉々として映画を撮り続ける。
ここまでは公式ホームページにもあるイントロです。
その後の展開は・・・言えません。
冒頭のノーカットシーンを見て、たくさんの疑問が出てきます。
37分のノーカット映像はなぜノーカットだったのか。
映像の中の、微妙な空気が流れる場面は何を意味するのか。
登場人物の、流れを切るような唐突な動きはなんだろうか。
監督がいきなりカメラ目線で叫ぶのはなぜか。
それが、映画を最後まで見ると、
「なるほど!そうだったのかあ!!」
と、疑問が氷解します。
ホラー映画なのに、笑いが起こります。
登場人物の心の変化や成長も感じられます。
冒頭のシーンの言葉のひとつひとつに意味があることがわかります。
親子の絆なんかも重要なポイントになったりします。
そして、最後はとっても暖かい気持ちになります。
「ホラー映画なのに笑いが起こる?」
「最後は暖かい気持ちになる?」
文章読んだだけでは意味わかりませんよね。
繰り返しますが、ここではネタバレしません。
ぜひ、あまり事前に情報を入れずに観てください。
B級ホラーの皮を被った感動作です。
才能のある監督さんですね
監督・脚本・編集 上田慎一郎さん
1984年生まれということですから、34歳でしょうか。
中学時代から独学で映画の勉強をしていたそうです。
「カメラを止めるな!」は、
隙だらけに見えて、実は計算され尽くしている構成が見事!
こんな手法があったのかと驚くばかりです。
これまでの作品は、
長編映画「お米とおっぱい。」(2011年)
短編映画 「恋する小説家」(2011年)
「ハートにコブラツイスト」(2013年)
「彼女の告白ランキング」(2014年)
「Last WeddingDress」(2014年)
「テイク8」(2015年)
「ナポリタン」(2016年)
気になる監督の一人になりそうです。
役者さんもいい味だしています
監督役の濱津隆之さん。
ついつい妥協してしまう押しの弱いキャラクターを好演しています。
ヒロイン役の秋山ゆずきさんも、可愛くも小憎らしい雰囲気をうまく醸していました。
正直言うと、みなさん演技がやや素人っぽい感じがするのですが、この映画のコンセプトに合わせた演技だとしたら、すごいことです。
まとめ
「映画を止めるな!」は、
間違いなく2018年の日本映画界を代表する一本です。
これは、内容がわからないうちに見たもの勝ち!
躊躇することなく映画館に行きましょう。
(最近は「躊躇せずクーラーを」が流行語になる勢いですが)
2018年8月3日現在、
上映館はほぼ全ての都道府県に広がっています。
(香川、鳥取、沖縄県では今の所計画無いようです。)
でも、くれぐれもネタバレしないでみんなに勧めてあげましょうね。
追記
残念ことに、パクリ問題がネット上を賑わしています。
この映画の原作(映画テロップでは原案)を書いた和田亮一さんが、こちらで自身の見解を述べています。
監督の完全なオリジナルだと思って映画を見た立場としては、
映画そのものの出来ばえへの評価は変わりませんが、
監督を「才能ある」と無条件で評価していいのか、疑問は残ります。
「監督・脚本」と書いてあったので、監督の完全オリジナルだと思ってました。
(よく考えてみれば、脚本と原作は違いますよね。)
若干ドロドロしてきましたが、うまく落としどころを見つけて下さいね。