久々に聞いたマリリオンの代表作「Misplaced Childhood」

マリリオンの代表作 「Misplaced Childhood」

ここ2年、来日して精力的なライブを見せてくれるマリリオン。
言わずと知れた(いや、知らない人も多いかな。)イギリスプログレッシブロックの雄である。
彼らのアルバムについては、好みが分かれるのでなかなか「これがベスト」と断定できないのだが、個人的に代表作と認識している表題のCDを、ほんとに久しぶりに聞いてみた。

1985年、マリリオンが初来日した。


それまで出したアルバムは4枚。(うち1枚はライブ版)
処女作の「独り芝居の道化師」は、日本ではあまり大きく取り上げられることはなく、新しいもの好きの一握りのファンがいたくらいだった。
実際、各放送局に送られたデモ用アルバム(当時はLPレコード)も、すぐに廃棄処分になる始末。(実は、その廃棄版をもらって家で再生し、なんとなくファンになった私。)
2作目の「破滅の形容詞」は、バンドとしての完成度も上がり、何曲かは実際に日本でも流行り、このタイミングでファンになった人も多かった筈。

途中、ライブ版を挟み、アルバムとしては3作目に当たるのが、「過ち色の過去(Misplaced Childhood)」となる。
過去2作でジャケットの中央だった道化師は、このアルバムでは裏面に追いやられ、しかも窓から逃げようとする後ろ姿に変化する。
バンドの中心だったボーカルのフィッシュの、過去との決別と新しい道を踏み出そうとする熱意を感じたものだ。

このアルバムは、全英で1位を獲得し、満を辞しての来日だったのだろう。

さて、自分が見てきたのは日本青年館ホールの2日公演の中の初日。
直前までどの席にしようか迷い、少し高いけど前から3列目にしたのを覚えている。
確か、ギリギリまでチケットは場所を選べたので、ホールは超満員でもなく、さらっと入ってる状態だったような気がする。
ライブは、5人の息がぴったりと合い、ボーカルのフィッシュのパフォーマンスも独特の雰囲気を醸し、見応え抜群だった。
特にギターとベースの演奏には唸った。特に超絶技巧というわけではないものの、おそらく何千回と繰り返し練習したのだろう、CDとまったく同じクオリティで進んでいく。

1時間ほどの時間が過ぎ、フィッシュが突然こんなことを言い出した。
「This is the last song.」
えっ?
もうライブ終わっちゃうの?
でも、次の言葉で歓声が上がる。
「But very long song・・・Misplaced Childhood」

そうなんだ、このアルバムを1枚、これから演奏するんだ。
彼らはこのアルバムを、ひとつの曲と捉えていたらしい。

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曲は、ほとんどアルバムの通りに進む。
それじゃあつまらんて?
いやいや、曲を熟知しているファンにとっても、途切れなく続く50分に興奮する。

そして、アンコールを3曲出して、彼らのライブは終わった。

観客から「Fish! Assassin!」と、2枚目アルバムの1曲目をリクエストする声が上がる。確かに、この曲が一番売れていたような気がするが、彼らはその曲はすでに封印したと言わんばかりにスルーしていた。
日本語で「暗殺者」という題名の曲は、このライブの全体のコンセプトに合わなかったのだろうと解釈したものだ。(それが的を得ているかは知らない。)

マリリオンは、その後2枚ほどアルバムを出したものの、セールス的にはパッとせず(というより、Misplaced Childhoodが、あまりにすごすぎた。)、ボーカルのフィッシュはバンドを脱退してしまう。
これで、マリリオンは終わったと誰もが思った。
ところが、後任のボーカル、スティーブ・ホガースが、新しいマリリオンを作り上げたと言っていいだろう。
新しいボーカルと共に製作したアルバム「ブレイブ」は、もうひとつの代表作として、もしかしたらロック史に残るかもしれない出来栄えである。

ボーカル交代後のもうひとつの代表作 「brave」

新旧のボーカルで、歴史に残るアルバムを2枚作り上げたマリリオン、只者じゃない。

この記事で取り上げた2つのアルバム。
聞く価値があることは間違いない。

これを聞いてファンになったら、今度はライブへ。

きっと来年も来てくれるよ。

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