「新しい生活様式」の圧を感じる

 緊急事態宣言や全国一斉の休校措置など、かなり大胆に動いたとおもったら、補償が予想以上に手間だったのか、その後政府はアクションを起こす兆しがありません。「東京アラートでございます。」と始まった都の取り組みは、アラート中の数倍の感染が出てもゴールポストを動かして「○○と思われる。」という責任回避の言葉を使い、「だからこう動く。」という具体はゼロ。どうやら誰も先頭に立って動く気配はありません。
 そんな中で「新しい生活様式」という言葉(思想)がじわじわと蔓延してきました。なんとなく専門家会議が提言した言葉がそのままスタンダードになりそうな・・・これは良いことなのかそうでないのか、国は国民を守る気があるのか「うまくやってくれ」と丸投げしたのか、なんだかモヤモヤしています。

そもそも誰が言い出した言葉だ?

「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」という文書が5月4日に出されているようです。( 厚生労働省HPにあります。)

新型コロナウイルスの出現に伴い、飛沫感染や接触感染、さらには近距離での会話 への対策をこれまで以上に取り入れた生活様式を実践していく必要がある。これは、 従来の生活では考慮しなかったような場においても感染予防のために行うものであ る。

(厚生労働省HP)

 なるほどね。これまで以上に対策した生活様式なのね。これが元になっていろんなところで「新しい生活様式」が出てきたのですね。

私たちは何をすれば良いの?

具体的には、人と身体的距離をとることによる接触を 減らすこと、マスクをすること、手洗いをすることが重要である。

(厚生労働省HP)

これが「3つの基本」というやつですね。「身体的距離をとることによる接触を減らすこと」という言葉に若干日本語として難はありますが、(「距離をとることにより」じゃないのか?)言わんとすることは「むやみに近づくな。距離を取れ。」ということですね。「マスク、手洗い」は読んで字の通り。
 とすると、これからは「あまり人に近づくな。マスクをしてろ。手を洗え。」というのが「新しい生活様式」なのですね。

 これからは、マスクをつけて外に出るのがスタンダードなのか・・・苦しい。これはどうやら、コロナが落ち着いても続く気配。もはや、出かけるときには靴を履くのと同じくらいにマスクをするのが常識になるのかもしれません。

 他にも、7つの大きな項目があり、そのひとつひとつに具体例が出ています。

 外出控えは「あまり外に出るな。出歩くな。」ということですね。「買い物も一人で行け。長居はするな。電子決済で人と触れるな。」「とにかく空いてる時間帯と場所を選べ。」いやはや、どこに行けばいいのでしょう。
 三密を回避することは維持するようです。換気や咳エチケット、手洗いなどはなんとなく実現可能ですが、本当に未来永劫「三密を避ける」ことができるのでしょうか。

スポーツはどうなる?

 三密を回避できるスポーツって何があるだろうと考えました。本気で三密を許さないのなら・・・
 陸上競技は概ね大丈夫かもしれません。中長距離走をどうするかという問題はありますが、ひとまずセーフ。
 水泳も何とか生き残れますね。何ならレーンをひとつ空ければいいですから。
完全アウトなのが格闘技。レスリング、ボクシング、柔道、剣道はダメでしょう。フェンシングは辛うじてOKかな?
 知り合いの話では、剣道はマスク(手拭い?)で口を覆い、面金にシールドをつけるように通達があったそうです。夏は大変です。
 ボールゲームの中では、サッカーのようなゴール型はアウト。サッカー、バスケ、ホッケー、ラグビーは苦しいですね。野球型のものは工夫次第で生き残れるかも。ネット型のものも、バレーはだめかも。味方の選手同士が交錯しますから。大丈夫そうなのが卓球(シングル)とテニスでしょうか。
カヌーやボート競技(シングル)なら問題なし。
あーあ・・ほんとにそれでいいの?サッカー協会が「感染症リスクを排除できないことから、サッカーという競技に終止符を打ちます。教会も解散です。今までありがとうございました。」なんてことが本当に起きます?ないですよね。

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結婚式や葬式はどう変わる?

 多くの人が集まれば、そこは「密集」に該当します。これからも密集を避けるのが新しい生活様式なら、セレモニーやパーティーの際、巨大なホールで参加者の入場を時間差で管理して行うか、ごくごく少人数で行うか、またはセレモニーそのものをリモート参加型にするか、無くすか、これくらいの選択肢しか思い浮かびません。SNSがこれだけ浸透している現代ですから、直接集まってのパーティーは減っていくような気がします。セレモニーホールがどんどん淘汰される時代がくるのかも。

旅行のハードルが上がるだろう

 もはや海外旅行に気軽に行ける時代でなくなるのかもしれません。飛行機の中で三密を防ぐことなど不可能でしょう。全席ファーストクラス仕様の飛行機があったとしても、すごいお値段になりそうだし・・・
 そう考えると、今の40代から60代くらいの人が一番良かったのかもしれません。それより前の世代ですと、1ドル360円時代の、海外旅行はお金持ちだけという時代ですから。
 若い人たちがちょっと気の毒。語学を含めた能力が中年世代より高いのに、海外の経験ができなくなるなんて・・・。

 国内の観光地も、今までのような外国人向けの商売はできなくなるかもしれません。国内旅行もかなり制約を受けそうです。
 知り合いの観光果樹園の話では、団体旅行のバスがほとんど来なくなったといいます。たまに2台連ねて来て、「おー、久々にたくさんのお客さんが来たぞー!」と思ったら、バスの中も密を避けるために一つおきにしか座ってなくて、満員の1台よりも少なかったとか。受け入れ側も大変だし、観光客の方も今までよりも料金が高くなりそう。

本当にやるのですか?

 まあ、命には替えられないと言われれば返す言葉もないのですが、今のように密を避け、ビクビクしながら生活し、いざ感染が出たら店は臨時休業、学校は休校という措置を続けるなら、とても日常の生活は回らないような気がします。
 できれば「ワクチンできたよ。もう感染してもすぐに治るよ。」「予防接種できたよ。先に打ってると感染しないよ。」となった時点で、「古い生活様式」に戻してもらいたいなあと思うのは、私だけでしょうか。

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