コロナウイルスへの政府の対応は本当にダメなのか
ポジティブに見ると
オリンピック開催まで150日と迫ったこの時期、懸念されるのは「日本は危険だ、オリンピックは危険だ。」「選手の生命を守るために、参加をボイコットする。」という世論に押され、本当は大丈夫(収束した)のに中止を余儀なくされること。この手の問題はどうしてもヒステリックに報道される傾向があり、必要以上にパニックに陥る事態は避けたいものです。
一方で、「日本は何も対策していない。」と報じられるのも危険です。一番の落とし所は「ウイルスは確かに入っているが、日本ではしっかりと対応しているので、感染者が出ているが広がってはいない。」という流れで、できればゴールデンウイーク前には完全に収束し、平常の活動に戻りたいところでしょう。
そしてオリンピックが問題なく開催できれば、日本としては百点満点です。だから、「日本はちゃんとやってますよ。大丈夫ですよ。」とアピールすることも大切です。
ネガティブに見ると
韓国では、宗教団体の集会が原因で感染拡大が止まらず、国会が中止になったり数々の行事が中止になっています。つい先日まで日本を「恥ずかしい対応」と嘲笑し「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府と医療関係者らが一丸になって努力しているおかげで、市民や観光客は「安全な日常生活」を送っている。」とまで言っておりました。
どうも日本に対抗意識むき出しにするから、正直最近は好きになれない韓国ですが、いざ感染が始まってからの情報公開と対応が素早いなと感じます。
一方の日本は、心配になって検査を受けたくても「37.5度で4日以上」という根拠もはっきりしない基準を勝手に作り、それをクリアしないと検査すら受けさせてもらえない現状です。場合によってはこの基準をクリアしても検査を拒否される事例が出ています。
現状は「渡航歴がある」「罹患者と濃厚接触がある」「肺炎が重症になっている」人以外は検査の対象にならないという話ですので、意図的に罹患者数を押さえ込もうとしているように思えてなりません。
今回のウイルスは重篤な症状にならないという話があることから、「検査しないで数を押さえ込んでいるうちに、暖かくなれば自然に収束するだろう。」と考えているのでしょうか。
実は対応できないことを隠しているのではないのか
感染が拡大した場合、日本で2週間全ての活動をストップさせることができるでしょうか。私には実態が見えないのですが、いわゆる「経済」というものを考えた場合、全てを止めるという事態は「想定外」なのでしょう。
感染拡大に際し、何もできないのであれば、「感染してない。」というしかないのです。もしかしたら日本の政府は、「感染者の数が爆発的に増えないように検査をさせないでおこう。」と考えているのかもしれません。
そう考えると、なんだかちょっと嫌いだった韓国の方が日本より国民に開かれた国であるように思えます。(それを悔しいと思う自分も問題だな。)
都合の悪いことは見ないようにする体質があるな
クルーズ船に実際に乗り込み対応をした厚生労働省の職員(含副大臣)がウイルス検査をしないで職場に戻っていたことがわかり、問題になった後に検査をすることになったようです。
「厚生労働省では、検査をしようという話が出たそうですが、感染が多すぎた時に業務に支障がでるから見合わせようとなった。」なんてお話がまことしやか噂になっています。実際、厚生労働省の皆様が「自分たちだけは感染しない」と根拠のない信念を持っていたとは思えません。「ここは知らんぷりしとこう。」と、私が職員でも考えそうです。(ほんとのことは知りません。)
その後、検疫官と厚生労働省職員の感染が判明したので、厚生労働省の対応はまずかったと言うしかないですね。いえ、感染がダメなのではなく、クルーズ船に行ったのに検査しなかったことが、です。
最近、福島原発の汚染水を海洋投棄しようという話が出ています。「薄めて捨てれば大丈夫」なのだそうです。それならなぜ最初からそうしなかったのだと言いたくもなります。おそらく(というか確実に)汚染水の保管ができなくなっちゃったからでしょう。
そもそも原発の廃棄物処理が現状ではできない状況ですが、昔麻生大臣がこんなことをおっしゃってました。「将来、技術革新が進めば、汚染物質の処理もできるようになるだろう。」(記憶を頼りに書いてますので、どの場面での発言なのかわかりませんが、こんな意味の言葉が出たのは間違いないです。)
これは、「今は解決できないから、そっとしておこう。」という意味ですよね。
どうも日本という国は、「臭いものは蓋をして、そっとしておこう。」という風潮があるようです。これを打開するのは誰でしょうか。それとも、打開すると日本そのものが壊れるのかもしれませんね。