つぶやきをコピペすれば記事の完成か?

マスコミの姿勢を疑問視する

 最近思うんです。マスコミの記事の水準が大きく低下してるんじゃないかと。どうしてそう思ったのかというと、このところのコロナ自粛騒ぎで、否応なく家で過ごす時間が伸び(というよりほとんど外に出られず)、テレビとネットニュースに目を通す機会が格段に増えたのが原因です。おそらく今までもそうだったのでしょうけど、改めて「マスコミの記事を作る姿勢」というか「理念」のようなものを問題提起したくなりました。「そんなのとっくに分かってたことよ。それを踏まえてメディアと付き合うのよ。」という声も聞こえてきます。それも正論ですが、とりあえず感じたことを書いてみます。

今日のYAHOOより

「○○はこう言った」の記事が溢れている

 私はネットのスタートページに「YAHOO」を採用しています。これにはいろいろな意見がありそうですが、「とりあえず、自分にとって見やすい。」というのが最大の理由です。この「YAHOO」のページでは、ニュース欄が上部にあってカテゴリー別に並んでいます。そのすべての項目だけ目を通し、気になる記事だけを開くという読み方です。

 問題なのは、この下に続く「主な話題のニュース欄」とでも申しましょうか。いろいろな記事がずらりと並んでおり、かなり下までスクロールしないと見えないようになっています。この部分を詳しく見てみると、212の記事が並んでおりました。広告欄が12ありましたので、実に200の記事があります。(ちなみに、広告は前半に集中している。)
 この記事の中で、「○○がこう言った。」という記事はいくつあったかというと、76です。(加筆:翌日は、79でした。)それは、「○○がツイッター等で呟いた。」というものと「○○が番組でこう言った。」というもので、その人のツイッターをフォローしていればわかること、テレビ番組を見ていればわかることをわざわざ記事にしているわけです。

本日のYAHOOより

 では、誰がつぶやくと記事になるのかというと、

蓮舫、江川紹子、橋下徹、上西小百合、百田尚樹、舛添要一、辛坊治郎、志らく、ナジャ、ホリエモン、山本太郎、松尾貴史、古市憲寿、大仁田厚、与座よしあき、三浦瑠麗、高須院長、茂木健一郎、和田アキ子、辛島美登里、ミッツマングローブ、デヴィ夫人、三田佳子、前川喜平、馳浩、薬丸裕英、近藤春菜、丸山穂高、モト冬樹、野口健、笠井信輔、江藤愛、山口智充、トレエン斎藤、松居一代、ハイヒールリンゴ、ロンブー亮の37人(敬称略、記事の通りに記載)。

 37人で76記事ということは、一人のつぶやきが何度も取り上げられているということです。この76記事の他に、安倍首相や大臣、知事や市長の言葉が別に存在します。(こちらは記事性が高いと判断し、いわゆる「つぶやき記事」には含まず。)

 私には誰がどれだけの知識人なのかは知る由もありませんが、傾向として「人の意見や行動に難癖をつける」というものが多数を占めます。確かに未経験のコロナ対策で政府も右往左往しているし、「そこじゃないだろ!」と一般平民階級の私でも感じることがなくもありません。(いや、たくさんあります!)
 でも、「○○氏、△△の発表に「馬鹿なの?」」なんて見出しを見ちゃうと、ああ、この人たちは基本的に「自分以外みんなバカ」の感覚を持っている方々なんだな、と感じてしまいます。

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 いえ、いいんです、何を呟こうと・・・。でも、それを記事にする必要がありますか?

「○○のワケ」「○○の理由」という記事に答えは載ってない

「○○のワケ」という見出しを見れば、「ああ、表面にはでてこない深い理由が書いてあるんだろうな。」と普通は思う筈ですが、内容に満足することはほとんどありません。すでに明らかになった事実を並べて「今後も動向が見逃せない。」なんて結末だと、「つまり、ワケって何よ!」とJAROに訴えたくもなりますよ。
 「なぜ○○は△△なのか。」という見出しも、ほぼスカをつかまされます。なんだか、マスコミとしての矜恃のようなものって、ないんでしょうかね。

それでもマスコミには期待したい

 例えば「アベノマスクの残り一社はどこなの?」とか「税金が変な方向に使われていないか。」など、私たち国民の利益を守るために、どこの省庁や個人にも影響されず忖度もしない立場として、報道機関というものの存在は欠かせないものです。それは、中国や北朝鮮みたいに、政府が報道を支配してしまう形がいいのかどうかを考えてみればわかること。(もちろん、中国が良い、北朝鮮素晴らしい、国家全体のために報道機関も協力して国力を上げるのだ。という考えの人もいるでしょうから、それはそれでいいのですが。)

 もし、報道機関が機能しなかったら、私たちは国内に存在する課題や闇にも気づかず、のほほんと生きていくだけになったかもしれません。(実は今もそうだったりして・・)社会の闇に光を当てて、それをみんなで考え、意見を出し合い、改善していくスタート地点として、マスコミの力は大きいものです。

 ぜひ、その理念を忘れず、「だれそれが呟いた」というどうでもいい記事に注ぐ力を、本来あるべき方向に使っていただけたらと思います。

ガンバレマスコミ!

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